支援事例集

IPランドスケープ支援を活用した企業の事例をご紹介します

※ 掲載事例はINPIT「IPランドスケープ支援事業 令和6年度支援事例集」からの抜粋です。 詳細はINPIT公式ページもご参照ください。

  1. 業種:環境・エネルギー課題:自社の強みや独自性の確認
    NT技研工業株式会社

    NT技研工業株式会社は、水・食料・エネルギー・安全に関わる技術機器の設計開発・製造・販売を主な業務とする大阪府のスタートアップ企業です。太陽の動きと光の性質を考え直し、世帯単位で太陽と共に暮せる技術を追い求め、住居隣接型の、高稼働率・高効率化・多用途なタワー型ソーラーシステムを開発。本システムの事業化と量産・普及によって、世帯ごとの光熱費の大幅な削減やエネルギー自給率の向上、ひいては脱炭素社会の実現を目指しています。

    事例サマリー

    Before
    事業化を目指す独自のソーラーシステムに類似した製品や特許は、自社で調べた限りは存在しないが、本当に存在しないのか確かめたい。
    調査・分析
    特許情報を用いた技術視点の競合探索や他社製品情報の調査により、機能や技術、用途にまで踏み込んだ分析を行い、同社が持つ独自性が見出された。
    After
    集合住宅向けの複合機能を持つソーラーシステムという点において、極めて独自性の高いポジションにいることを確認できた。
    アクション
    調査によって見出された独自性に基づき、内容をブラッシュアップのうえ特許出願を実施。独自性を踏まえて様々な関係者へのアプローチを実施した。

    ワンポイント解説

    通常、自社・他社の製品について、その独自性を機能・技術・用途にまで踏み込んで詳細に検討することは難しく、同社もWeb調査では不足感を抱いていました。本事例では詳細な技術情報を含む特許情報を用いて踏み込んだ独自性検討を実施。自社の独自性に確証を持ち、特許出願内容のブラッシュアップや関係者へのアプローチにつなげることができました。

  2. 業種:化学課題:自社の技術を活かせる市場の探索
    株式会社朝日FR研究所

    株式会社朝日FR研究所は、光学、医療・ライフサイエンス、通信などの幅広い分野でゴム製品を提供する株式会社朝日ラバーの子会社であり、コア技術の研究開発を担っています。親会社が掲げる医療分野でのODM深化方針を受け、本領域で継続的な成長が望める独自の高分子化合物「SBポリマー」を開発。当該ポリマーについて、医療分野以外で有望な新事業への参入を計画しています。

    事例サマリー

    Before
    医療分野向けに開発している独自の化合物「SBポリマー」について他分野展開の可能性を感じているが、具体的な展開先分野やその強みについて確証が持てない。
    調査・分析
    「SBポリマー」と同様の機能を発揮する材料に関する特許の用途分析により展開可能性のある分野や製品を特定。さらに競合探索・ミクロ分析・製品情報調査により、同社が独自性を有する点が見出された。
    After
    展開先分野の調査結果はある程度想像どおりであったが、専門家の調査を経て確信に変わった。類似した材料を持つ競合と、その競合技術との相違点を具体的に把握できた。
    アクション
    示された展開先分野・競合との相違点を踏まえ、研究開発計画策定に向けたデータ整理を推進。示された展開先分野へサンプルワークを行っていく方針を決定した。

    ワンポイント解説

    本事例では独自化合物「SBポリマー」に着目し、機能面から同様の機能を発揮し得る材料を幅広く分析することで新規展開先を探索するとともに、化合物としての類似性に着目した競合把握・強みの検討を行いました。明らかになった展開先候補や強みを踏まえ、研究開発計画の策定やサンプルワーク(試作品を顧客に提供してフィードバックを受け改良につなげる取り組み)といったアクションにつながりました。

  3. 業種:塗料課題:業界動向の把握
    アーテック株式会社

    アーテック株式会社は、室内環境を作り出す炭塗料等を製造・販売する長崎県の中小企業です。多彩な樹脂を開発して組み合わせる技術に強みを持ち、独自の機能性塗料を開発することで様々な課題解決を得意としています。現在は空気清浄化や健康維持増進などの機能を備えた住宅向け塗料を中心にビジネスを展開し、共同研究により開発した環境負荷が小さく防汚性能の持続性に優れた塗料について、船主・造船所等への販路確立を目指しています。

    事例サマリー

    Before
    塗料メーカーである同社は、同社にとって新たな分野である「船底防汚塗料」のプロトタイプを開発した。しかし、海洋業界における製品開発パートナーや販売パートナーの情報収集が不足し、上市に向けた具体的な戦略を描けずにいた。
    調査・分析
    船底防汚塗料に関する特許情報や市場レポート、企業Webサイトの調査により業界の動向を整理。同社のプロトタイプと類似する技術に取り組む企業はごく少数であることが分かった。
    After
    船底防汚塗料分野において、同社の機能性塗料技術は極めて独自性が高いことを認識。他社が行っている船底防汚塗料の性能評価の方法も把握できた。
    アクション
    開発を継続し、上市に向けた活動を本格化することを決定。他社の性能評価方法を参考に、プロトタイプの性能評価を開始した。

    ワンポイント解説

    本事例では、新たに船底防汚塗料分野へ製品を展開するにあたり、防汚塗料に係る知見のある企業・研究機関における技術内容や、自社独自成分を含有する塗料について調査しました。市場レポートやWeb情報の調査に特許情報の調査を組み合わせることで、当該分野の動向が技術や課題にまで踏み込んで提示され、同社は自社技術の独自性を確信し、上市に向けた本格的な活動を開始できました。

  4. 業種:医薬課題:連携相手の探索
    静岡県立大学

    薬物送達技術は、必要な量の薬を、必要な時間(タイミング・期間)に、必要な臓器等に届ける技術です。薬効成分を疾患部位に効率よく届けることで、最小限の投与量で最大限の効果を発揮し、投薬回数や1回の投薬量を抑え、患者の負担を軽減できます。静岡県立大学では本技術の実用化に向け、大手企業と連携したいと考えており、特に、基礎研究段階であっても具体的な連携を進められるような企業を探索していました。

    事例サマリー

    Before
    薬物送達における実装手段として本学が取り組む「核酸医薬の開発に資する脂質ナノ粒子(LNP)技術」の実用化に向け、研究開発の初期段階にある製薬会社と連携して医薬品開発を進めたいが、相手探しに難航していた。
    調査・分析
    核酸医薬に関する特許のミクロ・マクロ分析、訴訟情報分析、臨床試験データの分析など多様なアプローチで、本学の技術に興味を示すと思われる企業を探索した。
    After
    当初想定していたような製薬会社のほかにも、創薬ベンチャーや、訴訟・臨床試験がうまくいかなかった等で代替技術が必要になった企業など、様々な相手との連携の可能性を認識できた。
    アクション
    調査によって提示された具体的な企業へのアプローチ方法の検討を開始。創薬ベンチャーとのつながりをより一層強化する方針とした。

    ワンポイント解説

    研究の初期段階にある企業は情報発信が多くなく、連携相手探しは難航しがちです。本事例では、企業の研究開発状況を比較的早期に把握できる特許情報を活用し、連携相手の探索を実施。加えて「訴訟により今までの技術が使えなくなった企業」など様々な連携相手の仮説を設定し、多様なアプローチで候補が提示されたことで、具体的な企業へのアプローチ方法の検討という次のステップに踏み出すことができました。

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